兵庫県猪名川町の女性町議(83)が、今月6日にあった青少年育成を目的とした会合で、子どもへの体罰を容認するとも受け取られる発言をしていたことが分かった。町議は22日、対応を検討するために開かれた町議会運営委員会で発言内容を認め、「虐待を容認したつもりはないが、誤解を招いた。申し訳ない」と謝罪した。
発言があったのは、町や川西こども家庭センター(児童相談所)、川西署などで構成する「町青少年問題協議会」。町議は議会の代表として委員に名を連ねていた。
会合で町議は、親や教師の体罰について「虐待としつけは微妙に違う。一切手を上げてはいけないというのは、それはそれで問題ではないか」「やんちゃな子を育てるときには、1発や2発たたいたことは、親としてそれぞれあったのではないか。どんなことがあっても手を上げないというのはあまりに極端」などと発言した。これに対し、複数の委員から「根本的にだめ」と発言をとがめられたという。
町議会運営委では、議長や他の議員から「議会の信頼を失墜させた」などと批判の声が上がった。町議は「しつけでも子どもをたたいてはいけないのは承知している。現実とかけ離れていると思って発言したが、意図が伝わらなかった」と説明した。(貝原加奈)