NIB活動の課題について話し合われたセミナー=東京都千代田区
NIB活動の課題について話し合われたセミナー=東京都千代田区

 新聞を通じて確かな情報で難解な時代を読み解き、学生や社会人に生きる力を育んでもらうNIB(Newspaper in Business=仕事に新聞を)活動の担当者が集うセミナーが、東京都千代田区の日本新聞協会であった。42社の84人が参加し、多様な事例が発表された。

 神戸新聞社の冨居雅人教育事業戦略室長は、5年続く神戸市新人職員の新聞購読研修について「毎月の課題をこなし、秋には市政課題の発掘や新施策提案などに取り組む。新聞を読むことによる仕事上の有用性が職員の意識に定着してきた」と報告。「小中高校では学校で新聞が活用されるが、大学では接点が薄れたまま社会に出る。学生にこそ、時事力を高めてもらう取り組みが必要」と提言した。

 全学で1年生に新聞活用講座の受講を義務付ける流通科学大(神戸市西区)の竹内信行経済学部准教授は「社会人基礎力を身に付けるには新聞を読むことが重要だ」と指摘。「新聞は今や学生の身近にはない。新たなイメージづくりを」とし「見出しとリード(前文)の早読みで情報が得られコスパ(コストパフォーマンス)がいい-など、新聞ファンにするPRや仕掛けが必要。講義で高まった関心を持続させるため、学生向けに思い切った割引制度も考えて」と話した。