資料館で展示する写真パネルなどを前に、地域の歴史を振り返る金信鏞さん(左端)ら=神戸市長田区若松町3
資料館で展示する写真パネルなどを前に、地域の歴史を振り返る金信鏞さん(左端)ら=神戸市長田区若松町3

 焼き肉やキムチといった食をはじめ、K-POPや韓流ドラマ・映画などの文化が浸透する一方、長く日本で暮らす在日コリアンの歴史や生活についてはあまり知られていない。そんな朝鮮半島にルーツを持つ人らの生活文化史を伝えようと、今秋、神戸市長田区のJR新長田駅南側に資料館が開設されることになった。関係者らが展示の準備を進めるとともに、開設資金を募っている。(長嶺麻子)

 資料館の名称は「神戸在日コリアンくらしとことばのミュージアム」。同区若松町3の「神戸コリア教育文化センター」の1、2階に設置される。在日コリアンに関連する資料館は、東京都港区、京都府宇治市、大阪市生野区に続く開設という。

 同センターでは、代表理事で在日2世の金信鏞(キムシニョン)さん(71)らが長年、在日コリアンたちの写真や生活道具などの収集と保存に加え、戦前の植民地時代や戦後の混乱期を知る在日1、2世を中心に生活史の聞き取りを進めてきた。「多様なルーツを持つ人たちが暮らすこの地で、新たな出会いが生まれ、広がっていく拠点にしたい」とビジョンを語る。