銅鑼(どら)や太鼓のリズムに合わせて力強く進むペーロン=26日午後、相生市の相生湾(撮影・辰巳直之)
銅鑼(どら)や太鼓のリズムに合わせて力強く進むペーロン=26日午後、相生市の相生湾(撮影・辰巳直之)

 相生市の「相生ペーロン祭」は26日、木造手こぎ舟のレース「ペーロン競漕」で最高潮を迎えた。約4万人(主催者発表)に上る観衆の声援を背に、竜をかたどった舟が水しぶきを上げながら相生湾を疾走した。

 ペーロン競漕は江戸時代に中国から長崎へ伝わり、相生では1922(大正11)年、播磨造船所(現IHI相生事業所)で働く長崎県出身者が故郷を思って始めた。ペーロンの名称は中国語の「白竜(パイロン)」がなまったとされる。

 兵庫県内や、手こぎ舟レースを通じて交流がある長崎市や高知県須崎市などから計54チームが出場。全長約13メートルの舟に32人が乗り込み、約300メートルの直線コースを1往復または1往復半して着順を競った。

 汗ばむ陽気と強い風の中、銅鑼と太鼓が刻む「ドン、デン、ジャン」のリズムに合わせて選手たちは力いっぱい櫂をこぎ、湾内は熱気に包まれた。(豊田 修)