長男和哉さんの過労死を受けて、防止法成立に奔走した西垣迪世さん=神戸市中央区
長男和哉さんの過労死を受けて、防止法成立に奔走した西垣迪世さん=神戸市中央区

 2002年に夫、森川正敏さん=当時(41)=を亡くしたえみさん(62)=神戸市垂水区=と、06年に長男、西垣和哉さん=当時(27)=を失った迪世(みちよ)さん(79)=同市=は、02年にできた「兵庫過労死を考える家族の会」のメンバーとして歩みをともにしてきた。

 和哉さんは02年、神奈川県内のIT関連会社に入り、03年春からシステムエンジニアとしてテレビ局の地上デジタル放送移行プロジェクトに加わった。

 時間外労働は月100時間超に及び、自席で仮眠しながら徹夜することもあった。仕様変更に伴う作業のやり直しが多く、抑うつ状態となり、同年冬から休職と復職を繰り返した。04~05年、ブログに「『死』ではなく、『生きていくのが無理』という闇が心を支配」と吐露した。一方、「自殺はしない」とも書いた。