阪神・淡路大震災を現役で体験した兵庫県警の警察官は15・1%-。発生から30年を前に、経験者の減少を如実に示すデータだ。被災地の警察官は、県民の命を最前線で守る立場として、何を感じたのか。さまざまな業界で震災の継承が課題となる中、今春の異動で各部門のトップに就いた県警新部長6人の記憶を紹介する。
◇
大型のダンプカーが突っ込んできた-。1995年1月17日午前5時46分。当時30歳、東灘署の警務課警部補として、当直勤務中の仮眠室で体験した阪神・淡路大震災の激震をそう表現する。
制服を小脇に抱えて1階へ下りた。転がるやかん、散らばる書類。引っかき回されたように乱れたフロアに、署の東隣にあった文化住宅の住民が「家がつぶれた」と駆け込んできた。
























