第53代兵庫県知事。戦後最年少の43歳で、県のトップに立った斎藤元彦は神戸市須磨区出身。地元の小学校を卒業後、松山市にある中高一貫の学校で6年間の寮生活を過ごし、東大経済学部へと進んだ。総務省に入省する前には、元彦の名付け親でもある祖父にこう言われたという。「いずれ兵庫に戻り、知事を目指せ」
2020年7月。当時、自民党兵庫県連幹事長だった県議の石川憲幸は、20年続いた前知事、井戸敏三の後継候補を探す中で、斎藤と面会した。「とにかく、さわやか。若さがあり、財政にも精通している。この人しかいないと思った」とほれ込んだ。
大阪府の財政課長だった斎藤は、かつての上司でもある日本維新の会代表(当時)の松井一郎からも支援を取り付けた。兵庫で激しくしのぎを削る自民と維新の両党から推薦を受けるという“離れ業”をやってのける。

























