連載「細る列島 過疎という災害」では、能登半島地震の被災地や南海トラフ巨大に地震に備える町を記者が歩き、人口減と高齢化で地域力が弱まる過疎集落の現状を報告しました。連載でも取り上げた過疎集落の課題、集団移転の考え方について、地域防災の専門家で、石川県防災会議震災対策部会委員でもある青木賢人・金沢大准教授(55)に聞きました。
-元日の地震で震度6強以上を観測した被災6市町(石川県内)の高齢化率は44%。地震に続いて、9月の豪雨災害でも多くの集落が孤立した。
「地震前から、奥能登は日本の過疎の最先端地域と言われていた。支えを必要とする人がたくさんいるけれど、支えることができる人が少ない。災害で道路が寸断されるので公助がない。若い人が少ないので、共助が成立しない。お年寄りが多いので、自助が成立しない。過疎高齢化で三つの柱全てが脆弱だった」