井上毅館長が撮影した紫金山アトラス彗星=9月26日早朝、加西市(天文科学館提供)
井上毅館長が撮影した紫金山アトラス彗星=9月26日早朝、加西市(天文科学館提供)

 兵庫県明石市立天文科学館の井上毅館長が26日、加西市内で紫金山(ツーチンシャン)アトラス彗星の撮影に成功した。

 同彗星は2023年の1月9日に中国の紫金山天文台で発見された。兵庫県内で観測しやすい彗星は、20年7月のネオワイズ彗星以来で4年ぶりという。

 紫金山アトラス彗星は26日午前5時ごろ、東の空の低い位置に姿を見せ、井上館長が尾を引く彗星を撮影した。

 井上館長によると、見えやすい時期は10月中旬ごろ。12日ごろから約2週間が観測しやすいという。日没の約1時間後から1時間ほど西の空で見ることができる。今後さらに明るくなれば肉眼でも見られる可能性があり、双眼鏡などを使えば十分に観測が可能だという。

 同館では、10月から彗星をテーマにしたプラネタリウムの一般投影を行う予定。井上館長は「プラネタリウムでは彗星の見つけ方なども解説する。貴重な機会なのでぜひ探し方を学んで観測にチャレンジしてほしい」と話している。(領五菜月)