失職を前に任期最後の登庁となり、報道陣の囲み取材に応じる斎藤元彦知事=27日午前、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・長嶺麻子)
失職を前に任期最後の登庁となり、報道陣の囲み取材に応じる斎藤元彦知事=27日午前、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・長嶺麻子)

 兵庫県議会(定数86人)から全会一致で不信任決議を受けた斎藤元彦知事は、30日午前0時で失職した。不信任決議に伴う知事の自動失職は、兵庫県政で初めて。30日からは服部洋平副知事が職務代理者となる。出直し知事選が11月に実施される見通しで、元西播磨県民局長が作成した告発文書を巡る問題は、大きな転換点を迎えた。

 県議会は今月19日、「行政の長としての資質を欠いている」「告発文書への不適切な対応で県政の停滞と混乱をもたらした」などとして斎藤知事に対する不信任決議を可決。決議には法的拘束力があり、斎藤知事は10日以内に辞職か議会解散か、どちらも選ばず30日付で自動失職するかの判断を迫られていた。

 26日午後に会見した斎藤知事は「改革を止めるわけにはいかない」「県民に信を問いたい」と訴え、失職して出直し知事選に立候補する意向を表明。27日に最後の公務を終え、県庁を後にした。知事選に向けては、共産党が既に医師大沢芳清氏(61)の推薦を決定。複数の政党が候補者擁立の検討を急いでいる。

 出直し知事選の投開票日は、11月10日(10月24日告示)か11月17日(10月31日告示)となる公算が大きい。県選挙管理委員会は9月30日午前中に会合を開き、選挙日程を決める。(金 慶順)