尼崎JR脱線事故があった現場に整備された追悼施設「祈りの杜(もり)」を訪れた小椋聡さん(左)と任意団体「Team大川 未来を拓(ひら)くネットワーク」代表の只野哲也さん=尼崎市久々知西町2
尼崎JR脱線事故があった現場に整備された追悼施設「祈りの杜(もり)」を訪れた小椋聡さん(左)と任意団体「Team大川 未来を拓(ひら)くネットワーク」代表の只野哲也さん=尼崎市久々知西町2

 尼崎JR脱線事故から来年4月で20年となるのを前に、電車の2両目で右脚骨折などの重傷を負ったデザイナー小椋聡さん(55)=兵庫県多可町=らが来月、東京都内で講演会を開く。1両目で負傷した女性や2011年の東日本大震災で家族を亡くした男性らとの対談もある。多くの犠牲者が出た事故と災害を通じて、それぞれが歩んだ人生に触れ、より多くの人と共有したいという。

 講演会のテーマは「わたしたちはどう生きるのか」。小椋さんは05年の事故発生直後から、遺族らと犠牲者の最期の乗車位置を特定し、当時の状況を正確に伝えようと、負傷者と家族による手記集の出版などに取り組んできた。「20年という年月は、自分自身の歩みや事故に対する考えを整理する上で大切」と話す。