尼崎JR脱線事故と東日本大震災から得たことを語る(右から)福田裕子さん、只野哲也さん、小椋聡さんと聞き手の木村奈緒さん=東京都千代田区、日比谷図書文化館
尼崎JR脱線事故と東日本大震災から得たことを語る(右から)福田裕子さん、只野哲也さん、小椋聡さんと聞き手の木村奈緒さん=東京都千代田区、日比谷図書文化館

 尼崎JR脱線事故から来年4月で20年となるのを前に電車内で負傷した小椋聡さん(55)=兵庫県多可町=と福田裕子さん(41)=宝塚市=、東日本大震災の遺族、只野哲也さん(25)が「わたしたちはどう生きるのか」と題して東京都内で対談した。被災地と事故現場を訪ねた経験などを振り返り「多くの人の心に残るには当事者ではない視点で語る災害や事故があっていい」と意見を交わした。(千葉翔大)

 小椋さんは事故直後から経験を発信してきたが「このまま同じことを話し続けても、どれほど教訓が伝わるか。さまざまな人に自分事として捉えてほしい」と思うようになり、東日本大震災で祖父と母、妹が犠牲になった只野さんに参加を呼びかけた。

 フリーライター木村奈緒さん(36)を聞き手に迎え、関東地方などの約160人が参加した。

 小椋さんと只野さんは今年7月、津波で児童・教職員84人が死亡、行方不明になった宮城県石巻市の震災遺構大川小、9月に尼崎市の事故現場の追悼施設「祈りの杜(もり)」を訪ねた。