円山川で見つかったミナミメダカ。キタノメダカも外見上の違いは少ないという(中嶋宏輔教諭提供)
円山川で見つかったミナミメダカ。キタノメダカも外見上の違いは少ないという(中嶋宏輔教諭提供)

 環境省のレッドリストで絶滅危惧2類に指定されている「メダカ」。日本国内の河川には「キタノメダカ」と「ミナミメダカ」の2種類がおり、同一河川にはそのうちの1種類が生息しているのが一般的だが、但馬地域を流れる円山川には、両方いることが明らかになった。研究者の調査には、和田山高校(朝来市)の生徒らが協力。同校で4日に開かれた報告会では、日本列島誕生に関わる大地の大規模な変遷が、メダカの生息域に関わったという考えが説明された。(小日向務)

 調査・分析したのは、東京大学大学院新領域創成科学研究科の尾田正二准教授と北里大学医学部の勝村啓史准教授。2人は、日本各地のメダカの遺伝子情報を調査して2019年、キタノメダカが但馬や京都北部の丹後地域から東の日本海側に拡散したことを明らかにしている。

 和田山高校では昨年度、市民らにも情報提供の協力を求め、生物関係の選択科目を受講していた3年生9人が、調査や15カ所でのメダカの採取に当たった。野生のメダカは少なく、市民が以前に捕獲し、飼育していたメダカを譲り受けたケースも多かったという。