能登半島地震の被災地に建てられた仮設住宅団地=2024年6月、石川県穴水町
能登半島地震の被災地に建てられた仮設住宅団地=2024年6月、石川県穴水町

 能登半島地震の被災地で、仮設住宅の入居期限を巡る問題が浮上している。災害救助法で「2年以内」とされる入居期限について、石川県は被災時に持ち家でなく賃貸や公営住宅に住んでいた世帯は「原則1年以内」と設定した。阪神・淡路大震災などではそうした運用例はなく、専門家らは「居住形態で区別する法的根拠はない」と指摘。同県などに見直しを求める提言を行った。(杉山雅崇)

 災害救助法では、仮設住宅の入居期限は2年以内と規定されている。神戸新聞が調べたところ、被災時に持ち家か賃貸かで期限を区別する運用は阪神・淡路大震災(1995年)や東日本大震災(2011年)、熊本地震(16年)ではなされていなかった。

 一方、24年1月に発生した能登半島地震では、石川県が借家・公営住宅で被災した場合は原則1年以内とした。仮設には計9764世帯(2月1日現在)が暮らしているが、1年期限の対象は469世帯に上り、入居時の要項に記しているという。