東日本大震災の発生から14年となった11日、市民団体「神戸・心絆」(兵庫県三木市)のメンバーらが宮城県名取市閖上地区を訪れ、支援と交流を続けてきた同地区の住民ら約70人と犠牲者を悼み、目を閉じた。火をともした竹灯籠を並べ、「何年過ぎても失った人を思い続ける日に変わりはない。神戸と閖上、これからも共に」と誓った。
交流が始まったのは2012年。兵庫のボランティアが、同地区の被災者が多く暮らした愛島東部仮設住宅(名取市)を訪れたことがきっかけだった。3月11日とお盆に追悼行事の運営を手伝い、同地区の住民らは1月17日に神戸を訪れ、親交を深めてきた。
この日は潮風が強く吹き付ける中、海沿いにある震災メモリアル公園(同市)で、メンバーや同市の住民らが午後2時46分のサイレンに合わせて黙とう。同市名産のカーネーションを献花し手を合わせた。
同地区に住み、母=当時(76)=を亡くした男性(62)は「何をしても毎年この日は心が落ち込む日。1人は寂しく、みんなで手を合わせる場があることが大きい」と語った。兵庫のメンバーらを「もはや親族のようだよ」と目を細めた。
神戸・心絆の杉山正秀代表(64)は「復興の終了はそれぞれに違うし、終わりがない人もいる。一緒に歩んでいくのが、阪神・淡路大震災を経験した僕らの役割だと思う」と話した。(篠原拓真)