大津波で祖母と伯母が亡くなった場所に立つ「いのちをつなぐ未来館」で語り部をする佐々木智桜さん=岩手県釜石市鵜住居町
大津波で祖母と伯母が亡くなった場所に立つ「いのちをつなぐ未来館」で語り部をする佐々木智桜さん=岩手県釜石市鵜住居町

 東日本大震災の津波で岩手県釜石市鵜住居地区は壊滅的な被害を受け、600人以上が亡くなった。日常を取り戻した一方、進む記憶の風化。同市にある震災伝承施設「いのちをつなぐ未来館」で、小学5年の佐々木智桜さん(11)が最年少の語り部として活動している。「津波は怖い。急いで逃げて」。生まれる前の出来事と教訓を真剣に語る幼い命が「災害で誰も犠牲にならない未来」を問いかける。(長沼隆之)