兵庫県警察本部=神戸市中央区
兵庫県警察本部=神戸市中央区

 兵庫県警は13日、総勢約2470人(警部級以上約660人)となる2025年春の定期異動と組織改編を発表した。件数、被害額とも過去最悪となっている特殊詐欺の捜査態勢を強化。サイバー犯罪に対処するため、サイバー企画課にアプリ解析手法や捜査支援ツールの開発にあたるラボ(研究拠点)を新設する。一部を除き27日に発令される。(山岸洋介)

 県警によると、県内で24年に確認された特殊詐欺の被害暫定値は1445件、約31億9千万円に上り、いずれも過去最多となった。全国的にみても過去最多の被害状況となっている。

 初動捜査や詐欺グループの中枢に迫る突き上げ捜査を進めるため、特殊詐欺特別捜査隊(現在約70人)に約20人、警察署約10署に十数人を増配。組織犯罪対策課で匿名・流動型犯罪グループ対策を担う調査官を「管理官」に格上げする。

 児童虐待の相談をリアルタイムに児童相談所と共有するシステムの運用開始に伴い、少年課の担当者を増員。3交代制を導入し、24時間いつでも虐待事案に即応できるようにする。

 外国人労働者の受け入れ拡大により、外国の運転免許から国内免許への切り替え申請が相次いでいるのを受け、運転免許試験場の担当者を増員。審査のスピードアップと適正化を図る。

 一般職員の業務改革を進めるため、職員の最高位を所属長級から「参事官」に引き上げ、警務部に1人を配置。人事や組織、給与面の企画調整を担わせる。

 働きやすい環境を整えるため、育児や介護中の職員については、居住地を管轄する署への配置を引き続き認め、通勤負担を軽減する。

【名簿】兵庫県警、春の異動<警視長・警視正・警視>

【名簿】兵庫県警、春の異動<警部・職員・役職定年・退職>