加古川署に入る勝田州彦容疑者=2024年11月27日、加古川市平岡町新在家
加古川署に入る勝田州彦容疑者=2024年11月27日、加古川市平岡町新在家

 兵庫県加古川市で2007年、小学2年の女児=当時(7)=が刺殺された事件で、神戸地検は19日、殺人の罪で、勝田州彦容疑者(46)を起訴した。06年にたつの市で小学4年の女児=当時(9)=を刺したとされる事件も殺人未遂罪で起訴した。精神鑑定結果などを踏まえ、刑事責任能力を問えると判断した。認否は明らかにしていない。

 別の事件で服役中だった勝田被告は昨年11月、たつの市の事件について、兵庫県警に殺人未遂容疑で逮捕された。その後、加古川市の事件でも再逮捕された。

 起訴状などによると、加古川市の事件は07年10月16日午後6時ごろ、同市別府町の小2女児宅の玄関前付近で、クラフトナイフで胸などを2回突き刺し失血死させたとされる。たつの市の事件は06年9月28日午後6時20分ごろ、同市新宮町の路上で、帰宅中の小4女児の胸などをクラフトナイフで複数回刺し、殺害しようとしたとしている。女児は全治約2カ月のけがを負った。

 捜査関係者によると、勝田被告は加古川市の事件について、逮捕前の任意の聴取に「ナイフで女の子を刺した。ナイフは海に捨てた」との趣旨の説明をしたが、逮捕後は「黙秘します」と話したという。

 地検は昨年12月から今月14日まで、精神状態を調べる鑑定留置を行った。今後の裁判員裁判では、任意聴取段階の供述の信用性などが争点になるとみられる。

 加古川市の事件の遺族は「ようやく裁判という次の段階に進むことになりました。亡くなった娘のために私たち家族は裁判にしっかり向き合うとともに、真実が明らかになってほしいと思っています」とコメントした。