4月初旬の朝、大阪・道頓堀川に、デンマークから訪れた障害者とその支援者ら総勢約40人が手こぎのいかだなどで現れた。障害者と健常者が寮で共同生活を送る「エグモント・ホイスコーレン校」の修学旅行の一環で、中には車いすごと乗って楽しむ姿も。大胆ともいえる試みだったが、受け入れた日本シティサップ協会(大阪市中央区)の協力もあり、学生らは春の「水上散歩」を満喫した。(鈴木久仁子)
■障害者は「ボス」
同校は高校卒業後の若者らが学ぶ全寮制の私立学校。学生の半数近くに障害があり、日常生活で介助が必要な場合は、健常者の学生と面接し「アシスタント学生」として雇う。雇用側の障害者はいわば「ボス」の立場といい、アシスタント学生の学費とわずかな給料は、ボスの出身地の自治体が支払う。
修学旅行は春の恒例行事で、今年は日本のほか、南アフリカ、ポーランド、オーストリアなどに分かれて出発。同校の教員リエコ・フカザワ・コーノムさんは「障害があっても仲間と世界を旅し、多文化に触れる可能性を実現している」と話す。