国民民主党が、今夏の参院選兵庫選挙区(改選数3)に、元経済産業省官僚の多田ひとみ氏(44)を擁立する方針を固めたことが複数の党関係者への取材で分かった。20日に神戸市内で記者会見し、正式に発表するという。
同党兵庫県連は、無所属での立候補を表明した前明石市長の泉房穂氏(61)の支援を検討していたが、出馬会見での泉氏の発言を問題視し、独自候補の擁立に切り替えた。
関係者によると、国民民主党兵庫県連は、立憲民主党兵庫県連、連合兵庫と3者で泉氏を推薦する方向で調整していた。しかし、3月24日の出馬会見で泉氏が「魅力的な政党がない」などと述べ、国民民主党の玉木雄一郎代表がX(旧ツイッター)で「あまりにも公党に対する敬意を欠いた」と批判。榛葉賀津也幹事長が同28日、泉氏を支援せずに独自候補を擁立する方針を明かした。
これを受け、立民兵庫県連と連合兵庫も対応を検討し直している。
多田氏は大阪府出身で、同志社大学商学部を卒業後、2003年に経済産業省に入省。08年に退職後、公認会計士試験に合格し、東京に本部を置く監査法人に勤務していた。
参院選兵庫選挙区では、自民党現職の加田裕之氏(54)と公明党現職の高橋光男氏(48)が改選を迎え、泉氏と元兵庫県議で共産党新人の金田峰生氏(59)、参政党新人の藤原誠也氏(36)が立候補を表明。日本維新の会も候補を擁立する方針という。