赤穂市民病院=赤穂市中広
赤穂市民病院=赤穂市中広

 兵庫県の赤穂市民病院(同市中広)で受けた手術中のミスで両足に重度のまひが残ったとして、患者の女性(80)と家族が市と執刀医に損害賠償を求めた訴訟で、被告側の過失を認め計約8900万円の支払いを命じた神戸地裁姫路支部判決について、市は20日、控訴しない方針を明らかにした。

 判決によると、2020年1月、女性の腰椎の一部を切除する手術中、執刀医だった松井宏樹医師(47)が誤って神経を切断し、女性は両足に重度のまひが残る後遺障害を負った。14日の判決で同支部は、執刀医について「出血などで視認性の確保が十分でないのに骨切除を進めた。注意義務違反の程度は著しい」と指摘。病院側の対応にも「迅速に説明を尽くしたと評価するには不足がある」とした。

 定例会見で牟礼正稔市長は「市としては控訴しない。裁判所の判断に従い、真摯(しんし)に受け止めて対応する」と述べた。