記者の質問に答える斎藤元彦県知事=17日午後、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・笠原次郎)
記者の質問に答える斎藤元彦県知事=17日午後、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・笠原次郎)

 告発文書を巡り、兵庫県の元西播磨県民局長(故人)の私的情報が漏えいした問題で、政治団体代表の立花孝志氏が自身に情報を提供したという県職員の実名を公表したことを受け、斎藤元彦知事は17日の会見で対応を問われ、「県として今の段階で動くことは考えていない。警察に委ねるのが大切」と述べ、追加調査はしない考えを改めて示した。

 この問題では、昨年11月に立花氏らが元県民局長の公用パソコンに入っていたとされる私的情報をネット上で発信し、拡散された。経緯を調べた県の第三者調査委員会は立花氏らの投稿内容は県保有情報と同一と認め、県職員が漏えいした可能性が高いと認定。人物は特定できず、県は容疑者不詳のまま地方公務員法(守秘義務)違反容疑で刑事告発し、県警が捜査している。

 立花氏は14日、県職員の実名を街頭演説で公表。会見では、職員への事実確認や保護措置を講じるかなどの質問が相次いだが、斎藤知事は「警察の捜査を注視する」と繰り返し、「情報セキュリティーも強化しており、やるべきことはやっている」と説明した。(前川茂之、井上太郎)