2001年7月、明石市・大蔵海岸の花火大会会場近くで起きた群衆雪崩によって、子どもら11人が亡くなり247人が負傷した明石歩道橋事故は21日夜、発生から24年が経過した。現場の朝霧歩道橋(同市大蔵海岸通1)では、慰霊碑「想の像」の前で遺族や市民らが追悼し、再発防止の誓いを胸に刻んだ。
発生時刻に近い午後8時40分ごろ、遺族らが慰霊碑に献花。静かに手を合わせ、亡くなった人たちに思いをはせた。
事故で次男智仁ちゃん=当時(2)=を亡くした下村誠治さん(67)=神戸市垂水区=は「この場所に立つと当日に引き戻されてしまうが、25年に向けて遺族らと力を合わせていく、そんな日にしたい。市と一緒に安全、安心をつくっていければ」と語った。今年10月に発生から3年となる韓国ソウルの雑踏事故遺族との交流については「お互いにできることを考え、前に進んでいきたい」とした。
明石市幹部と花を手向けた丸谷聡子市長は「市民の命と暮らしを守ることが市長の大きな責任。いま一度、安心安全をしっかり肝に銘じてまちづくりを進めていく」と述べた。献花後、慰霊碑の前で市民の有志らが鎮魂歌を合唱した。(赤松沙和)