被告の上告棄却決定を受けて、心境を語る堤将太さんの父敏さん=神戸市北区(撮影・鈴木雅之)
被告の上告棄却決定を受けて、心境を語る堤将太さんの父敏さん=神戸市北区(撮影・鈴木雅之)

 2010年10月に神戸市北区の路上で高校2年の堤将太さん=当時(16)=が刺殺された事件で、最高裁が、殺人罪に問われた当時17歳の男(32)の上告を棄却する決定を出したことを受けて、父の敏さん(66)が16日、代理人弁護士を通じてコメントを出した。全文は次の通り。

 息子将太が殺害された殺人被告事件について、今般最高裁が上告を棄却する決定を出したとの一報を、マスコミを通じて聞きました。

 最高裁が被告の主張をしりぞけ、上告棄却の決定をしたのは、当然のことだと思います。私たち遺族は、被害者参加人として刑事裁判に参加し、長い裁判の過程を見てきました。法廷では、真実を述べようとしない被告の態度に、何度も怒りがこみ上げました。なぜ将太が殺されなければならなかったのか、それが知りたい一心で刑事裁判に参加しましたが、結局その答えは何ひとつ見つからなかった、それが今の率直な思いです。