警察車両で送検される立花孝志容疑者=10日、神戸市中央区下山手通5
警察車両で送検される立花孝志容疑者=10日、神戸市中央区下山手通5

 1月に死去した元兵庫県議の竹内英明氏に関するデマを交流サイト(SNS)などで発信したとして、名誉毀損の疑いで政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)が逮捕された事件で、弁護人の石丸幸人弁護士は14日、立花容疑者が容疑を認めて謝罪する意向だと明らかにした。自身のユーチューブ動画で語った。

 遺族側の弁護士によると、立花容疑者側から14日、示談の申し入れがあった。遺族は拒否した。条件の提示はなかったという。

 立花容疑者と接見した別の弁護士によると、当初は罪の成立を争う姿勢を示していた。

 石丸弁護士は「弁護方針決定」と題した動画で「否認ではなく、自白ということで手続きが進んでいく。罪を認め、謝罪すべきところは謝罪するということになった。今日以降、ご遺族に示談の申し入れを進めていく」とした。

 また「情報源に関し『真実であるとの相当な理由があるということで否認する』という報道があったが、調整が一通りついて、真実相当性は争わない方針を取ることになった」と語った。

 立花容疑者は、竹内氏の「生前」と「死後」に行った発言が逮捕容疑となっている。生前の発言は、真実と信じるだけの相当な理由があれば罪に問われないが、死後の名誉毀損は「虚偽と認識していたか」などが成立のポイントになる。石丸弁護士はこの認識については明らかにしていない。

 遺族側の代理人を務める石森雄一郎弁護士は、示談の申し入れや謝罪の意向について「真摯な反省ではなく、刑を軽くしたいというだけの身勝手な考えで言っているのは、誰が見ても明らか」と批判。起訴されれば公開の法廷で裁かれるため、石森弁護士は「正式裁判になれば、いかにいいかげんな情報をまき散らしていたかが公になる。それを避けるため略式起訴、罰金刑を狙っているのだろう」とした。

 立花容疑者は別の事件で懲役2年6月、執行猶予4年の判決が2023年に確定している。