「判断の変更にAIを信頼しているかどうかは関係していなかった」と話す増本康平教授=神戸市灘区鶴甲3、神戸大学大学院人間発達環境学研究科
「判断の変更にAIを信頼しているかどうかは関係していなかった」と話す増本康平教授=神戸市灘区鶴甲3、神戸大学大学院人間発達環境学研究科

 正解がなく、どうするべきかジレンマを感じる場面で生成人工知能(AI)に反論されると、3割を超える人々が判断を覆す-。そんな研究結果を、神戸大大学院人間発達環境学研究科の増本康平教授(49)らのグループが発表した。人からの助言を受け入れる割合よりも高く、特に高齢者が左右されやすい傾向にあった。偽・誤情報などの拡散が問題になる中、生成AIの影響力の大きさが浮き彫りになった。(広畑千春)

 研究では、19~28歳の大学生・大学院生56人と、住民基本台帳から抽出した兵庫県在住の65~83歳の高齢者74人の計130人を対象に課題を与え、どう判断するかを聞いた。

 課題はいわゆる「トロッコ問題」。暴走するトロッコの先に5人の作業員がいる-という想定で、二つの問題を提示した。

 一つ目の「転換機問題」では、転換機を押して作業員が1人しかいない線路に進路を切り替え5人を救うことは適切かどうか、と質問。二つ目は「歩道橋問題」で、歩道橋の上から1人を突き落としてトロッコを止め、5人を助けることは適切かどうか、と問うた。