セ・リーグCSファイナルステージ 阪神-広島 6回阪神2死、勝ち越しにつながる中前打を放つ阪神・佐藤輝明選手=甲子園球場(撮影・中田匡峻)
セ・リーグCSファイナルステージ 阪神-広島 6回阪神2死、勝ち越しにつながる中前打を放つ阪神・佐藤輝明選手=甲子園球場(撮影・中田匡峻)

 28日に開幕するプロ野球の日本シリーズで、59年ぶりに実現する関西対決。昨年、日本一を達成したオリックス・バファローズの強力投手陣に対し、阪神タイガースは9、10月の月間MVPに輝いた甲子園球場の地元・西宮市出身の佐藤輝明内野手(24)の打棒に期待が懸かる。新人から3年連続20本塁打以上を放った左打ちの大砲。柔道家だった父の佐藤博信・関西学院大人間福祉学部准教授(56)に、これまでの歩みを尋ねた。(井川朋宏)

■大きな手足で驚嘆の能力

 佐藤選手は1999年、博信さんと妻の晶子さん(51)のもとに長男として誕生。元阪神で2度の三冠王、ランディ・バースさんと同じ3月13日生まれだった。当時から手足が大きく、地面を蹴って進むおもちゃの消防車で遊ぶと、驚くほどの距離とスピードが出ていたという。

 博信さんの実家は宮城県村田町で、年2回ほど帰省。佐藤選手はその際、少年野球チームを立ち上げていた祖父から野球を教わることもあった。

 幼少期は水泳、小学校からは体操を習った。博信さんと異なり、柔道にはあまり興味を示さなかった。「好きなことをやればいい」という考えだった博信さん。「相手はコントロールできないので、自分に勝つことが大事」と教えてきた。