ラグビーのワールドカップ・フランス大会のアルゼンチン戦で体を張ってタックルに行く日本の具智元(右から2人目)=10月8日、ナント(c)JRFU
ラグビーのワールドカップ・フランス大会のアルゼンチン戦で体を張ってタックルに行く日本の具智元(右から2人目)=10月8日、ナント(c)JRFU

 世界を相手にスクラムを組んできた具智元(ぐじうぉん)(29)だが、コベルコ神戸スティーラーズでは移籍後の過去2シーズンは公式戦の出場が10試合にとどまる。理由は相次ぐけが。だから、今季のリーグワンの目標を問うと「けがをせず、全試合に出て優勝」と繰り返した。

 激しいプレーが多いラグビーに、けがは付き物だ。2019年のワールドカップ(W杯)日本大会で、泣きながら負傷交代する姿を覚えているファンは多いはず。今秋のW杯でもそうだった。初戦で死角からタックルを受けて右膝の靱帯(じんたい)を負傷し、次のイングランド戦では肋軟骨(ろくなんこつ)を骨折した。

 それでも全4試合に先発する。それが、具智元というラガーマンなのだ。「けがをしても本当に頑張る子でね」。W杯の奮闘ぶりを見た大分・日本文理大付高時代の監督、染矢勝義さん(56)が、こんな逸話を教えてくれた。