明治安田J1リーグ第12節第1日の16日、ヴィッセル神戸はノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で川崎フロンターレと対戦し、佐々木とトゥーレルが得点を挙げて2-1で破った。今季初の連勝を遂げ、4勝3分け3敗の勝ち点15とした。
1カ月半ぶりに戻ってきた本拠地で、神戸が今季リーグ戦初の凱歌(がいか)を上げた。武藤が2戦連続で欠場し、大迫が5試合ぶりにベンチスタートも、代わって先発した佐々木が輝き、川崎を気迫で上回った。
前半30分、エリキが相手GKのキックをはじき、詰めていた佐々木がシュートを放ったが、左に外した。だがその1分後。左の本多からの対角ロングフィードを起点に、佐々木がペナルティーエリア右角で受けると、右足を一閃(いっせん)。ボールは相手DFに当たって角度を変え、鮮やかにネットを揺らした。
同じノエスタであった2月の京都戦で、終了間際に挙げた同点弾に続く今季2点目。「前に前にと意識した。テーマはがむしゃらだった。やりきれた」と佐々木。何度もほえ、何度も右手で胸のエンブレムをたたいた。
神戸は開始からコンパクトに高い位置を保ち、球際とこぼれ球回収で上回った。2点目を奪った直後の前半終了間際に失点し、後半は守備の要トゥーレルを欠いたが、強力な相手攻撃陣を前からの守備で押さえ込んだ。
勝ち負けが交互に6戦続き、吉田監督は「1勝するとほっとした部分があったが、それでは絶対上位にいけない」と活を入れた。ようやく初の連勝で白星を先行させ、混戦のJ1で下位から脱出。さらに3試合続くホームで連勝街道を進みたい。(井川朋宏)