神戸-町田 前半、相手ゴール前に攻め上がる神戸の大迫=ノエビアスタジアム神戸(撮影・小林良多)
神戸-町田 前半、相手ゴール前に攻め上がる神戸の大迫=ノエビアスタジアム神戸(撮影・小林良多)

 明治安田J1リーグ第11節最終日の20日、ヴィッセル神戸は、ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)でFC町田ゼルビアと対戦し、オウンゴールで1-0で下した。3連勝を飾り、5勝3分け3敗の勝ち点18とした。

 リーグ序盤戦でつまずいた2連覇中の王者が、ようやく波に乗ってきた。神戸は昨季最終節まで優勝を争った町田に辛勝。3連勝とし、上位戦線に加わってきた。

 均衡を破ったのは後半17分。神戸は井手口のゴールへ向かっていくクロスに、相手DFの岡村がポスト手前でクリアミス。そのままネットに吸い込まれた。3月中旬にけがから復帰後は「ゴールに直結するプレーを増やしたい」と語っていた背番号7が、先制点を演出した。

 後半36分には、扇原の長い浮き球パスに、3試合ぶりに後半途中から復帰した武藤が抜け出し、ネットを揺らしたが、オフサイドで得点取り消しとなった。

 今節はDFトゥーレルが今季初めて欠場し、町田から期限付き移籍中のFWエリキも契約上出場できなかった。吉田監督は「いる選手の特徴を最大限に生かす」と臨み、開始からギアを上げていた。

 前半はボールを支配し、パスをつないで敵陣深くまで押し込む中、決定的なシュートは限られた。それでも粘り強くチャンスをつくり続け、幸運が舞い込んだ。「チームで徹底した」(山川)という球際と攻守の切り替えは上回り、空中戦でも優勢だった。

 前半終了間際には、ゴール中央目前でシュートを打たれたが、本多が両脚でブロック。後半追加タイムのピンチも、前川が阻んだ。主将の山川は「チームみんな、一人一人が戦った結果。先を見ることなく、目の前の試合を全力で戦うだけ」とうなずいた。