但馬牛の骨を煮込んだスープによる「牛骨ラーメン」を、兵庫県朝来市和田山町枚田の「ラーメン冨貴」が新たにメニューに加えた。力強いうま味がある牛骨のスープに、同店の持ち味である魚介スープで調整し、味に深みや広がりを加えている。(小日向務)
同店は、同市出身の小山智也さん(49)と妻の優子さん(46)が経営。2000年に豊岡市日高町の商業施設でお好み焼き店を開設し、10年からラーメン店に転じた。朝来市には今年2月に戻っている。
同店は但馬の豊かな食材を生かし、魚介スープに鶏がらスープを加えた「ダブルスープ」のしょうゆ味が売り物。但馬牛の牛骨を使ったスープにも興味があったが、牛の骨は大きく、豚骨などと比べて手間がかかるため見送っていた。
そこに、但馬牛の繁殖から肥育、「但馬玄(ぐろ)」ブランドでの精肉販売までを手がける上田畜産(香美町)が今年春、牛骨スープの提供を持ちかけた。同社は従来、廃棄していた牛骨を使ってスープの生産を始めたところで、東京の飲食店などにも供給している。但馬地域では現在、ラーメン冨貴に唯一提供しているという。同店では但馬牛のすじ肉を使ったメニューを以前から販売していた。
牛骨ラーメンは鳥取県などで食べられるが、全国的には広く普及していない。同店によると現在、但馬での提供店はラーメン冨貴以外にないという。
小山さん夫妻は「良質な骨のスープだけにうま味が強く、脂にきれがある、満足のいくラーメン。今後も地域の食材を使ったメニューを開発し、地域の活性化につなげたい」と話す。
水曜と第3火曜定休。昼は午前11時~午後3時、夜は午後5時半~10時(土日祝日は午後5時から)。牛骨ラーメンは1300円。同店TEL079・668・9321