コウノトリの衣装をまとう河合美智子さん=豊岡市祥雲寺
コウノトリの衣装をまとう河合美智子さん=豊岡市祥雲寺

 3年前にニュースになった義足のコウノトリを覚えているだろうか?

 「県立コウノトリの郷公園」(兵庫県豊岡市祥雲寺)で保護された、片脚を失ったメスに義足を製作したのが「神戸医療福祉専門学校・三田校」の義肢装具士科の先生だった。それから同校と郷公園の交流はずっと続いていたが、今回初めて、義肢装具士科の生徒さんたちの校外学習が郷公園で行われた。

 「神戸医療福祉専門学校」は医療と福祉に携わる学科が学べ、私のように障害がある人間にはとてもありがたい存在。ひょんなことから整形靴科(今は募集終了)のモデルをやらせてもらい、義肢装具士科にもお世話になっている。そんな縁から、特別に私も授業に参加させてもらった。

 郷公園は何度も訪れているが、そのたび新しい発見がある。松本令以獣医師の講義はとても興味深く、生徒たちも充実した時間を過ごしたのではないだろうか。

 なぜコウノトリは絶滅して、そしてどうやって復活し、それまでにどんな苦労があったのか。それを知ることで、人がこれから未来に向けてどう歩めばよいか答えが見つかるような気がする。人間社会は少し進化しすぎた。人と自然のバランスよい共生とは? 今一度、立ち止まってみることも大切なのではないだろうか。

 郷公園内にある豊岡市立コウノトリ文化館のシアタールームで、野生復帰の取り組みを紹介している20分ほどの動画がとても素晴らしい。通常は短いバージョンがくり返し流れているが、スタッフさんに頼めばすぐに見せてくれる。私の一押しなので、来館の際にはぜひご覧いただきたい。