能登半島地震で隆起した輪島港=石川県輪島市
能登半島地震で隆起した輪島港=石川県輪島市

 2024年10月22日未明、京都府の久美浜湾沖を震源とするマグニチュード(M)3・4の地震があり、豊岡市の城崎町と竹野町でそれぞれ震度2、1が記録された。周辺ではM1クラスの小さな地震が続く。

 但馬地域では100年前の1925(大正14)年に北但大震災が、27(昭和2)年には北丹後地震が発生した。鳥取大工学部教授の香川敬生(地震学)によると、小さな地震の多くは27年の北丹後地震を引き起こした震源断層の一つ、郷村断層に沿って分布。周辺にも直線や群発で分布するところがあり、「古傷としての断層の存在が示唆される」という。

 北丹後地震は日本で初めて、科学的に断層が調査された。海岸で最大約80センチの隆起が起こり、今も風光明媚(めいび)な海岸段丘が残る。北但大震災を起こした断層は今も分かっていない。

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 2024年元日の能登半島地震では、能登半島北部で大規模な土地の隆起が確認された。但馬周辺の地質に詳しい兵庫県立大大学院講師の松原典孝(44)によると、能登と但馬は大地の成り立ちで共通点が多い。