「旅するチョウ」として知られるアサギマダラが、兵庫県丹波篠山市藤坂地区に飛来している。地元の長尾勝美さん(76)が、長年チョウのために農地でフジバカマなどを栽培しており、今年も旅路の羽休めに訪れた。蜜を吸う優雅な姿を見ることができる。
黒や暗い茶色の混じった縁取りに、青白いまだら模様のある羽が特徴。春から夏にかけて北上し、秋には越冬のため南西諸島などに南下する。
長尾さんはテレビ番組でアサギマダラのことを知り、習性や優美に飛ぶ姿にひかれた。10年ほど前から鉢植えや農地でフジバカマやヒヨドリソウを栽培すると、ほぼ毎年飛来するようになった。100匹近く数えた日もあったという。
今年は9月25日に初飛来を確認した。長尾さんによると、アサギマダラは暑さが苦手といい、風がほどよく吹く日の午前中は数が多く観察にお薦めという。例年、10月半ばまで見ることができる。
羽根に移動の範囲などを調べるためのマーキングをした個体が訪れることもあり、「遠方の方と交流もできて心のビタミンになっています」と長尾さん。フジバカマの栽培は大変だが、「美しいアサギマダラと、地域の豊かな自然によって癒やしと元気がみなさんに届けられればうれしい」と話している。
畑へ立ち入る際は事前に連絡が必要。長尾さんTEL090・1588・4515
(秋山亮太)