加古川市志方町の西中地区で、水田で育てた稲の茎や葉を丸ごと刈り取って発酵させ、牛の飼料にする「稲発酵粗飼料」(稲WCS)の導入が進んでいる。飼料価格高騰による需要増を背景に、主食用米に比べて作業量が大幅に減らせる利点がある。同地区では数年前から、国が進める農地中間管理機構(農地バンク)を活用して農地を集約し、地区外の新たな農業者に預けた。稲WCSの導入は、農地の維持が困難になった地域を支える方策の一つになっているという。(増井哲夫)
10月下旬、同地区北側の農地で、箱形の機械をけん引したトラクターが、稲の刈り取りを始めた。一定量を刈り取ると停車し、機械の後部ハッチが上がり、直径1メートル超の稲のロールが出てきた。稲穂とわらなどが丸ごと圧縮されている。作業を繰り返し、十数個のロールが完成。フィルムでラッピングして発酵させると稲WCSが出来上がる。