ひかり姫の産地をPRする「農のクリエイティブ万願寺」のメンバーら=加西市上万願寺町
ひかり姫の産地をPRする「農のクリエイティブ万願寺」のメンバーら=加西市上万願寺町

 加西市の若手農業者グループ「農のクリエイティブ万願寺」が、農業体験を取り入れたイベントのプロモーションに取り組んでいる。2023年度に行政関係者らを招いて試験的に行ったところ好評だったことから、本年度は消費者や観光客らを対象に本格展開する。メンバーらは「産地の活性化や地域への移住・定住促進までを見据えて活動を広げていきたい」と意気込んでいる。

 同グループは、加西市北部の万願寺地区の農業者らが集まって23年9月に設立。地元の農産物を含めて地域の魅力をPRし、移住者や就農者の呼び込みを図る。メンバー4人は全員、兵庫県が開発した黒大豆枝豆「ひかり姫」を栽培しており、個別にレタスやサトイモ、サツマイモなどの農産物も取り扱っている。

 イベントは、各メンバーの強みを生かして収穫体験や試食、農業講座をパッケージで売り出す。グループの代表は年度ごとの持ち回り制で、本年度は、同市上道山町の農園「みっちゃまファーム」代表の山田達也さん(42)が務める。

 昨年10月には、県や加西市の職員、JA関係者ら約40人を集めて収穫祭を実施。地域の農地でひかり姫を収穫し、参加者らの目の前で釜ゆでにして試食した。地域の農産物や産地などについて学ぶ講座も開いた。今年2月にも、メンバーの農園で収穫したサトイモの煮物や県が開発した秋冬ネギ「ひょうごエヌワン」の肉巻きなどを楽しむイベントを実施した。

 いずれもメンバーらが、自分たちで司会から農地への引率、講座の運営までを全て担当し、手作りで開催。来場者からは「参加費以上に楽しめた」「ぜひ来年も開催してほしい」など評価する声が多かった。

 本年度は観光客や消費者らを対象とした収穫祭を、10月20日に企画。メンバーの取引先へのチラシ配布や同グループのインスタグラム(@creative_manganji)でPRしていく。

 山田さんは「自分たちの取り組みを見て加西で就農したい、ひかり姫を作ってみたいという人を増やしていきたい」。前年度に代表を務めた藤本圭一朗さん(39)も「これからもいろいろなことを発信していくので何か感じてもらえれば」と話している。

 収穫祭は、加西市上万願寺町の「農家レストラン・土一七日屋台」で開催。時間は午前10時~午後1時。申し込みは、農のクリエイティブ万願寺のインスタグラムにダイレクトメッセージ(DM)を送るか電話で。締め切りは10月12日。同グループ山田代表TEL080・4700・9974

(三宅晃貴)