【ソウル共同】韓国中部の清州地裁が日本政府に元従軍慰安婦の遺族に対する損害賠償を命じた確定判決を巡り、ソウル中央地裁が8月、かつて日本政府が慰安婦問題解決のため拠出した資金で設立された韓国の財団の資産差し押さえ決定を出していたことが分かった。訴訟関係者が5日までに明らかにした。ただ財団側は決定に応じず、法的な争いが続いている。
韓国の元慰安婦らが日本政府を相手取った訴訟では他に2件の原告勝訴が確定している。日本政府はいずれも賠償に応じておらず、他の原告らも財団資金の差し押さえに乗り出す可能性がある。
差し押さえ決定が出たのは、慰安婦問題の解決を確認した2015年の日韓合意を受け、日本の拠出金に基づき元慰安婦らへの現金支給を担った「和解・癒やし財団」の資産。財団は一部の元慰安婦に現金受け取りを拒まれたまま19年に解散したが、関係者によると法的には清算が完了しておらず、原告側が資産差し押さえを申請していた。
元慰安婦らが日本政府を訴えた訴訟では21、23年にも原告勝訴判決が確定している。