「1票の格差」訴訟の判決で、東京高裁に向かう原告側の升永英俊弁護士(手前中央)ら=30日午後、東京・霞が関
 「1票の格差」訴訟の判決で、東京高裁に向かう原告側の升永英俊弁護士(手前中央)ら=30日午後、東京・霞が関

 最大格差3・13倍の「1票の格差」を是正しないまま実施された7月の参院選は投票価値の平等に反し違憲だとして、各地の有権者が選挙無効を求めた訴訟の判決で、東京高裁(宮坂昌利裁判長)と高松高裁(森実将人裁判長)は30日、いずれも合憲との判断を示し、請求を棄却した。

 有権者側は2019年選挙(3・00倍)、22年選挙(3・03倍)に比べ、格差が拡大していると主張。被告の各選挙管理委員会側は「著しい不平等状態とは言えない」とし、請求棄却を求めた。

 参院選の1票の格差を巡っては、最高裁が格差5・00倍だった10年選挙と、13年選挙(4・77倍)を「違憲状態」と判断。その後に合区が導入され、16、19、22年選挙については3倍程度で推移し「有意な拡大傾向にはない」などとして、いずれも「合憲」とした。

 一方、前回判決では格差是正を喫緊の課題とし「方策を講じることが求められる」と国会に要請した。

 同種訴訟は全国14の高裁・支部に起こされ、大阪高裁は「合憲」と判断。名古屋高裁金沢支部判決は「違憲状態」としていた。