株式配当など金融所得の把握を徹底し医療費の窓口負担や保険料に反映する対象について、政府が75歳以上の後期高齢者を先行させる方向で調整していることが24日分かった。支払い能力がある高齢者に負担を求め、現役世代の保険料を軽減する。所得情報を集めるシステム整備が課題で、導入に数年かかる見通し。来年の通常国会に関連法改正案を提出する。

 念頭に置くのは75歳以上が加入する後期高齢者医療制度と、74歳以下のうち自営業者らが入る国民健康保険。保険料や窓口負担が市区町村の把握する給与や年金などの所得に応じて決まり、現在は確定申告した人のみ株式や債券の配当などが反映される。未申告の場合は確認方法がなく、不公平との指摘がある。

 金融所得の把握には、金融機関が国税庁に提出している所得情報の活用を想定する。国が情報をオンラインで集約できるデータベースを設け、自治体が保険料算定などに使えるようにする。漏れなく情報を把握するシステム整備が必要となり、具体的な導入スケジュールを今後詰める。