遺伝子の変異が尿酸値に与える影響
 遺伝子の変異が尿酸値に与える影響

 尿酸値が高い状態が続き足の親指などに激痛が走る痛風を巡り、遺伝子変異が要因の場合も、個人に応じた目標を設定して生活改善をすることで予防できる可能性があると、防衛医大(埼玉県)などのチームが26日、学術誌「ヒューマンセル」に発表した。早野貴美子防衛医大教授は「個人差を踏まえた目標を決めて看護師らが支援することで、患者の納得感や意欲にもつながる」としている。

 痛風は、生活習慣病の一つだが、遺伝による影響も大きいことが分かっていた。

 チームは日本人9244人を対象に尿酸の排出に関わる遺伝子「ABCG2」の変異を調査。すると高尿酸血症患者全体の約30%は変異の影響で発症したことが分かった。これは肥満(約22%)や多量飲酒(約19%)、加齢(約4%)を上回った。

 変異の影響は、体重や飲酒量を減らすといった生活改善によって打ち消せることも判明した。体重を身長の2乗で割った「体格指数(BMI)」を改善すれば変異の影響を打ち消すことができる。