食道がんの患者が飲酒と喫煙の両方をやめると新たな食道がんの発生リスクが約8割低下する一方、飲酒と喫煙の量を減らす“節酒・節煙”のみでは効果は認められなかったとの研究結果を、京都大の武藤学教授らのチームが22日までに英科学誌に発表した。チームは「禁酒・禁煙指導プログラムを構築し、一般診療に定着させたい」としている。

 チームは国内16施設で、食道がんを内視鏡切除した患者330人を追跡調査した。期間は中央値で10年。医師が禁酒・禁煙の重要性について文書を用いて説明し、継続的に指導した。6カ月ごとに内視鏡検査をし、新たに食道がんが発生した事例を分析した。

 その結果、飲酒や喫煙をこれまで通り続けた場合と比較したところ、がん発生リスクが禁酒では48%、禁煙で56%、禁酒と禁煙で79%低下した。一方節酒・節煙では統計的な有意差がなかった。

 粘膜の異常状態を3段階に分けて調べたところ、高度異常では発生率が高くなった。一方で禁酒や禁煙をした場合、禁酒では66%、禁煙では57%、リスクを下げられることも分かった。