電波望遠鏡の前に立つ国立天文台野辺山宇宙電波観測所の西村淳所長=6月、長野県南牧村
 電波望遠鏡の前に立つ国立天文台野辺山宇宙電波観測所の西村淳所長=6月、長野県南牧村

 国立天文台野辺山宇宙電波観測所(長野県南牧村)が、直径45メートルのアンテナを持ち世界最高級とされる電波望遠鏡の性能を、さらに向上させるプロジェクトを進めている。天体が発する微弱な電波を捉える受信機を改良する。西村淳所長(40)は「世界初のブラックホールの動画撮影に成功するかもしれない」と期待を寄せている。

 電波望遠鏡は目に見える「可視光」ではなく電波を捉えることで天体を観測する。ブラックホールは光や電波をものみ込んでしまうため、直接観測できず、周りのちりやガスが発するわずかな電波を捉えるしかない。そのため多数の高性能な電波望遠鏡で同時に観測する必要がある。

 プロジェクトでは、これまで天文台の望遠鏡に搭載していなかった電波の周波数230ギガヘルツ帯の受信機を開発する。

 観測頻度も向上できるといい、西村所長は「写真をパラパラ漫画のようにつなげることでブラックホールの動画撮影が可能になる」と解説する。受信機の開発には3~4年かかる見通しで、予算は約1億9400万円だ。