肥薩おれんじ鉄道八代駅で被災状況を説明する中村誠希社長=16日、熊本県八代市
 肥薩おれんじ鉄道八代駅で被災状況を説明する中村誠希社長=16日、熊本県八代市

 熊本、鹿児島両県を結ぶ第三セクター「肥薩おれんじ鉄道」は7月の地震で運転見合わせを余儀なくされたが、発生3カ月を前に全線再開にこぎ着けた。インタビューに応じた中村誠希社長は、相次ぐ自然災害による長期運休が「経営的にかなり厳しくなる」と指摘。通院や買い物など沿線住民の利用促進に力を入れる方針を示した。

 2020年7月の豪雨や、昨年8月の記録的大雨でも長期間運休した。今年の熊本地震では、線路の変形やホームの破損など全線の計105カ所で被害が発生。昨年の水害からの収益回復を目指していた矢先の被災は「ものすごくショックだった」と振り返る。

 10月13日に全線再開を果たしたものの、代行バスの運行費用を含め、被害額は約5億5千万円に上る。中村社長によると、復旧費用は国や自治体の支援があるものの、補助金交付までの借入利息などが負担になる。

 利用客の7割を高校生ら通学客が占め「沿線の子どもたちには鉄道がないと厳しい」と存在意義を強調する。代行バスによる輸送を通じ、鉄道の定時性や大量輸送といった利点も再認識した。