東京大がイタリア南部ナポリ近郊で20年以上続けてきた古代ローマの遺跡発掘調査が終盤を迎えている。初代皇帝アウグストゥスが亡くなった邸宅だったとの歴史的発見につながる可能性が高まり、証拠の探索を継続。同国の有名映画監督の作品でも取り上げられたが、資金難のため支援が不可欠となっている。

 9月下旬、ベズビオ山北麓にあるソンマ・ベスビアーナの遺跡を訪れると、強い日差しの下で東大生のグループが研究員らと土を削っていた。

 2002年から調査する遺跡は、ベズビオ山南麓のポンペイと同様に1世紀後半の79年にあった大噴火の被災地。当初調べた建物はアウグストゥスの時代より後の2世紀のものだったが、掘り進めると1世紀半ば以前に建てられた建物が下層から見つかった。

 7基ものかまどが発見され、当時としては極めて異例の施設と判明。現地では古くから、1世紀前半に死去したアウグストゥスの邸宅があると語り継がれてきた。歴史家タキトゥスの「年代記」に記された初代皇帝の最期の地である可能性が高まり、世界的に注目された。