レオナルド・ディカプリオは映画「タイタニック」(1997年)主演のため、ポール・トーマス・アンダーソン(略称PTA)監督の「ブギーナイツ」(同年)への出演を断念しました。それをレオは「人生最大の後悔の一つ」としてきました。
四半世紀以上を経て、ついにレオとPTAがタッグを組んだのが新作「ワン・バトル・アフター・アナザー」(全国公開中)です。「タイタニック」の主人公ジャックとは似ても似つかぬ、レオ史上最も弱く情けなく、テンパり続けるおじさん役なのですが、これが最高。傑作の誕生です。
元革命家のボブ(ディカプリオ)は、高校生の一人娘ウィラ(チェイス・インフィニティ)と林に囲まれたような家で、ひっそりと暮らしています。何でも危険だと思い込む偏執病で、愛する娘には過干渉。父親然としてはいますが、酒と大麻に浸っています。
ある日突然、娘が何者かにさらわれ、しかも、かつてボブたち過激派集団を壊滅に追い込んだ軍人ロックジョー(ショーン・ペン)が、部隊を連れて近くに迫っているらしい。ロックジョーは何を考えているのか全く分からず、気味が悪い。ボブはもうラリッている場合じゃない。とっくに戦闘力は失っているけれど、逃げて、娘を救いにいかねば…。
テンパりまくって逃げるボブが、古巣とつながるための合い言葉を思い出せず、イライラ頂点、爆発していく様が面白すぎます。その隣でボブを手助けする空手道場のセンセイ(ベニチオ・デル・トロ)は、ひょうひょうとして、ボブとの凸凹コンビぶりがおかしくてたまらない。詳しい面白ポイントと大切な基本情報、トリビアは、YouTube「うるおうリコメンド」(略称うるりこ)にアップした動画でお楽しみください。(共同通信 宮崎晃)
▼解説動画URL
https://youtu.be/lAi0vI2JK28
■映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』2025年10月3日(金)日本公開
・監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
・出演:レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、レジーナ・ホール、テヤナ・テイラー、チェイス・インフィニティ
・配給:ワーナー・ブラザース映画