◎今週の一推しトピック
▽「美意識を体験する場に 和光の庭崎社長に聞く」(中央区)
銀座の象徴として知られる「和光」が築94年となる歴史ある空間を生かし、文化や美意識を体験するモダンな空間に進化を遂げている。庭崎紀代子社長は、セイコーウオッチでのグローバルマーケティングの経験を生かし、国内外の来訪者を引きつける新たな挑戦を続ける。
コロナ禍後の2023年、インバウンドの急増期に就任。「百貨店でもセレクトショップでもない特殊な立ち位置を生かし、日本の“感性価値”を世界へ発信したいと思った。四季の移ろいを繊細に感じ取る心情は欧米とは異なる日本人独特の強みだ」と語る。商品開発でも、モノの背景にある細やかなストーリーを前面に打ち出したアプローチを推進している。
その象徴の一つが、和光が完全オリジナルで企画し、尾州産のウールなど日本各地の厳選素材と職人技術を現代的に昇華させた新コレクション「PURE CRAFT」だ。若手社員が考案し20代の感性を反映した宝石「マナコジュエリー」も展開する。
空間演出には、ひときわ力を注ぐ。地下1階を刷新した「アーツアンドカルチャー」は、現代美術作家・杉本博司さんと建築家・榊田倫之さんが主宰する新素材研究所が設計した。時計の針に見立てデザインされた、樹齢千年の2枚の霧島杉の上に、国内外の商品を展示。取り囲む木格子の外にも、衣服や工芸品などの各売り場を設けた。商品は3~4週間ごとに入れ替える。
「伝えたいのは商品そのものより、クリエーターの精神だ」と庭崎社長。作り手が制作背景や製品の哲学を語るイベントを定期的に開催。デザイナーが訪れ、顧客にコーディネートを提案することもあるという。
「コミュニケーションから生まれる豊かな時間を、この館で過ごしてほしい。どの売り場の社員たちも商品の歴史や精神をお客さまに丁寧に説明できる。気軽に話しかけ交流してもらいたい」。創業80周年を迎える来年に向け、世界につながる文化の“交差点”を目指す。
○そのほかのお薦めイベント
【8日(土)】
▽「Emerging Vision:The New Generation of Japanese Artists」(~16日、港区、入場無料)
国内外のアートを紹介する老舗画廊「ギャルリーためなが」の青山本店が、注目の若手日本人アーティスト5人によるグループ展を開いている。
コロナ禍で作品発表の場を失った若い表現者たちを支えようと2020年から始めた企画で、6回目の開催。未来へ飛び立つ才能との対話を楽しめる展覧会だ。
生命の力強さや、細やかな情緒を独自の色彩で表現した作品が並ぶ。能條雅由さんは独自の銀彩を追求。油彩の中比良真子さんは室内の空間を黒色で描き、窓の外に広がる風景を繊細に浮かび上がらせた「Transparent room」を発表。見る者の想像力を呼び覚ます。アクリル絵の具によって、Kaluaさんは花々の命を表現し、小松本結さんは油彩を併用しスタイリッシュに。
薬師川千晴さんは顔料絵の具と練り込みテンペラを両手、時に両足に直接つけ、木のパネルに描く。色の境目は、人が互いを受け入れ合う“境界線”のよう。「knock」シリーズで、SNS時代の自己と他者の領域のあり方を提示した。
企画担当の金守健さんは「テーマ、モチーフ、技法など5人とも作風は異なるが、作家たちの意欲あふれる作品が、新鮮な感動を呼び起こしてくれると思う」と話した。
▽「ロンジン 表参道 ポップアップ~ハイドロコンクエスト コンセプトストア~」(~26日、渋谷区、入場無料)
スイスの高級時計ブランド「ロンジン」が、表参道に期間限定のコンセプトストアをオープンし、話題を集めている。
世界的に人気のダイバーズ「ハイドロコンクエスト」の、2026年発売の新世代モデルに焦点を当てた。本格的防水性能と洗練された外観を備えた全ラインアップを展開する。
店内は同モデル広告の撮影地となったスペイン領カナリア諸島の火山海岸を着想源に演出。大西洋の波や岩肌を想起させるデザインの家具を設置し、海を舞台にした映像も上映。モダンな文字盤をイメージした爽やかなオリジナルフレグランスの香りが漂い、雄大な自然を感じさせる空間にした。
総合スポーツイベント「コモンウェルスゲームズ グラスゴー2026」(英国)のオフィシャルウオッチに選ばれた特別モデル「ハイドロコンクエスト コモンウェルスゲームズ」を国内先行発売。青緑色から黒の美しいグラデーションの文字盤が特徴だ。
このほか、ブランドを代表するクラシックな機械式ドレスウオッチ「マスターコレクション」など、幅広い商品を紹介する。近隣の複合施設「ザ ストリングス 表参道」とコラボし、同施設内のカフェとバーで限定ドリンクを提供。
▽「かこさとしさん生誕100年記念フェア」(~8月31日、武蔵野市、入場無料)
人気の絵本作家、かこさとしさんの生誕100年を記念する催しが子どもの本の専門店「クレヨンハウス東京店」(吉祥寺)で行われている。
かこさんの略歴年表と共に「だるまちゃん」シリーズなど約250冊の絵本が並ぶ。「からすのパンやさん」をはじめとする絵本グッズの販売や、過去にクレヨンハウスで行われた貴重なインタビューの記事展示も。時代を越えて愛されるかこさんの温かな創造の精神に触れられる。
























