(C)2026「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」製作委員会
(C)2026「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」製作委員会

 <亡き人を思い続ける女性と、その女性を好きになってしまった男性>。構図とゴールは原作小説そのままに、映画「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」(公開中・略称『あの星』)は、道のりに大幅なアレンジを施して物語のあやを増量、エンターテインメントらしいカタルシスをもたらしている。

 今作は、2023年に大ヒットした「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(『あの花』)の続編。

 「あの花」で主人公の高校生・百合(福原遥)は、戦時中の日本にタイムスリップし、特攻隊員たちに出会った。その一人、佐久間彰(水上恒司)に恋をしたが、ついに飛び立つ彼を見上げるしかなかったところで、現代へと戻った。

 原作小説では、百合は中学2年。戦時中から現代へ戻って間もなく、彰の生まれ変わりのような宮原涼が転校してきて、同級生になる。

 続く「あの星」の小説は、7割以上、中学2年の2人の描写が続く。涼が百合に告白して、付き合う寸前までいくが、あることが原因で疎遠に。別々の高校・大学に進み、大学2年で再会、3年の春で物語は幕を閉じた。終盤までは、涼視点によるモノローグで、主な登場人物は2人のみと言っていい。

 一方、今回の映画「あの星」では、百合は高校教師になっている。その高校で教師の欠員が出て、臨時的任用教員として大学院生・宮原涼(細田佳央太)がやってくる。つまり、百合が教師であるからこそ起こることは全て、映画オリジナルだ。

 大人になった百合が話すトーンは、そのまま映画のトーンとなっている。福原遥の発声・在り方は特筆に値する。

 映画は主要人物も増やした。倍賞千恵子演じる「現代の」千代、千代の夫らが登場することで、巡り合わせの不思議が生まれ、さらに<亡き人を思い続ける百合>に何をもたらすのか、関心を強く引き寄せる。

 アレンジによって泣かされ、原作を生かした会話がまぶしく、赤面させられもする。もっと詳しく解説するレビュー動画をYouTube「うるおうリコメンド」(うるりこ)で公開しています。映画とあわせてお楽しみください。(共同通信)

▼レビュー編動画URL

https://youtu.be/2bq1LfT6nv8

▼映画「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」2026年8月7日(金)全国公開

・出演:福原遥/細田佳央太 出口夏希 豊嶋花/井之脇海 伊藤健太郎 中嶋朋子/

水上恒司 上川周作 小野塚勇人 松坂慶子/倍賞千恵子

・主題歌:「邂逅」福山雅治

・原作:汐見夏衛「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」(スターツ出版文庫)

・監督:新城毅彦

・脚本:山浦雅大

・音楽:日向萌

・配給:松竹