修復作業が進む首里城正殿を覆う「素屋根」=10月28日、那覇市
 修復作業が進む首里城正殿を覆う「素屋根」=10月28日、那覇市

 「あの日、焼け落ちていく城を見ていることしかできなかった」。那覇市消防局の上原正彦(うえはら・まさひこ)警防課長は、5年前の10月31日に経験した強い喪失感を今も覚えている。その日の未明、首里城で火災が起き、上原さんは消火現場の指揮に当たった。しかし「延焼を食い止めることはできなかった」。城は正殿など7棟が全焼した。 いま、その現場では再建工事が進んでいる。特徴は「見せる復興」だ。修復過程を一般の人にも見てもらえるようにしたことで、火災後に激減した訪問客は回復しつつある。