男子470級最終レースでアテネ沖を帆走する関一人、轟賢二郎組(右から2艇目)(共同)
 男子470級最終レースでアテネ沖を帆走する関一人、轟賢二郎組(右から2艇目)(共同)

 日本のセーリング界で、世界トップクラスのレベルを誇る艇種(ヨットの種類)が、470(ヨンナナマル)級であることは疑問の余地がない。それは2024年のパリオリンピックで、日本にとってこの種目で3個目のメダルを獲得したことでも証明された。1996年のアトランタ大会で、重由美子・木下アリーシア組が女子で銀、2004年アテネ大会で関一人・轟賢二郎組が男子で銅、そして昨年のパリ大会の男女混合岡田奎樹・吉岡美帆組の銀。世界選手権でも日本勢は4度優勝している。470級以外の艇種では、五輪で8位入賞もない。なぜ、日本ではこのクラスだけが飛び抜けて強いのか。歴史をたどり、強さの背景を探ってみた。(共同通信=山崎恵司)