関西の企業経営者らが一堂に会し、経済や社会の課題を議論する「関西財界セミナー」が5、6日の両日、京都市の国立京都国際会館で開かれた。
昨年は阪神・淡路大震災から30年の節目として神戸で開催され、防災などを論じ合った。今年は盛況に終わった昨年の大阪・関西万博の成果をどう次代へつなぐかが焦点となった。テーマに「新たなステージへの挑戦」を掲げ、約650人が六つの分科会で議論を交わした。
基調講演でロボット学者の石黒浩氏は、万博で注目されたアバター(分身)技術による共生社会の可能性を語った。離れた場所にいるアバターを通じて仕事をしたり、サービスを提供したりできれば、労働力不足や専門職の偏在といった地域課題の解決策になり得る。
万博レガシー(遺産)の社会実装がテーマとなった分科会では、万博を「命や多様性、心の豊かさを尊重する価値観を共有し、一体感を再認識する契機となった」と総括した。万博の理念である「いのち輝く未来社会」を、具体的な社会の姿として定着させる実行力が関西経済界に求められる。
「外国人材の受け入れ」をテーマにした分科会は、労働力の補完とみられがちな外国人材を「企業の成長に不可欠なパートナー」と位置付け、「受け入れ拡大が必要」と総括した。外国人政策が争点の一つとなった衆院選の渦中に、関西財界として打ち出した意義は大きい。
外国人が孤立せずに地域社会との関わりを深める枠組みや、多様な人材の定着・活躍を支える基盤を整えることは、企業経営の持続可能性を高め、ひいては関西経済の強靱(きょうじん)化につながる。外国人との相互理解が進むよう、企業と自治体の連携も強化する必要がある。
2025年の人口移動報告で、大阪圏(京都、大阪、兵庫、奈良)全体では2年連続で転入者が転出者を上回る「転入超過」となったが、大阪府以外では「転出超過」が続く。25年の倒産件数も、前年から減ったのは、大阪圏では大阪だけだった。
大阪一極ではなく、多様性に富んだ関西の「面」としての強みを発揮できるよう、関西経済界の実践に期待したい。























